2016年1月11日月曜日

【読書メモ】個人メモ『民法はおもしろい』池田真朗 ★★★

民法改正ばなしの予備知識的な本。
前置き2割、普段の生活の民法の話3割、
民法改正の提言ぽいの5割。

個人的に役立った話。
1.私法の木の話
2.各国の民法の話
3.民法の沿革の話
4.民法改正の話

●1.私法の木の話
民法を幹に例え、商法やらホニャララ業法を枝葉と例える、
「私法の木」という全体像の説明。
法律の知識の乏しい自分としては、一番の収穫だった。

この全体像をもって社労士やら宅建の法律を見直すと、
覚えるだけではなく、理解というものに近づける気がした。

●2.各国の民法の話
いろいろあるのだなと。
・ドイツ民法(機能的)でフランス民法(倫理的)の性格の違い
・英米にはは六法全書のようなものは無い。
 判例を積み重ねて作る判例法の国。
・その他ブラジル、カンボジアでの話

●3.民法の沿革の話
正確の違うドイツ法とフランス法の両方を取り入れているので、
なんか変なところもあるぽい。
国会が立法の仕事をしている...当たり前なのだが新鮮。

●4.民法改正の話
一応、民法改正は昨年2015年に国会を通ってて施行待ち状態だが、
その前2012年に書かれた本なので、そこに至る前の議論が少し垣間見える。

あと、90年代にあった家族法改正の話。
棚上げ中なので今後も話題になるかもしれない。
というか、なんかたびたび見る気がする。
女性の婚姻適齢18歳化、女性の再婚禁止期間100日化
夫婦別姓の話、庶出も嫡出と同じ相続とする話

■まとめ
まぁ個人的には役に立っておもしろかった。
しかし、著者がねらっている面白さではないが。

一般市民に関係する話として保証人の話をあげているが、
その辺を面白いと思う人には『ナニワ金誘道』のが面白くて役に立つだろう。
(このたびの改正の話に繋げたかったんだろうけどさ)

個人的には、一般市民に一番かかわりがあるのは労働契約の話だろう。
労働基準法や労働契約法があってもなおかかわって来る民法。
この辺を整理できてまとめられたら、サラリーマンにとっては良いのになと思った。

で、実際に決まった民法改正の話は下記の項目ぽい。
・約款について、
 買い手の利益を一方的に害する項目は無効などと明記
・法定利率5%→3%で3年ごとに見直し
・業種ごとに異なる時効を「知ったときから5年」に統一
・連帯保証について
 経営者以外の保証人は公証人が自発的な意思を確認
・賃貸マンションの契約について
 保証人が追う限度額の規定を義務付け。
 敷金は原則借主に返すと明記。

2018年ごろ施行らしいので、どうせそのころニュースでやられるかな。







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