2016年4月9日土曜日

【書籍メモ】『絵本のしくみを考える』 藤本 朝巳(著) ★★★

読みやすく、様々な実例が挙げられているので分かりやすい。

コマ割りやページのレイアウト、枠の有無、模様、
色合いやその変化、絵の配置、視線の誘導の仕方、等々、
絵本には様々な仕掛けがしてある事が説明されている。

以前に、誰かがアニメか漫画の解説で、
「実写は意図せず映せてしまうが、手で書かれているものには必ず意図がある」
というような事を言っていた。
絵本もその例にもれず、小さく書かれた小鳥の一羽にいたっても、
意図があるのだと思い知らされた。

また、横長の長方形になっている本が、さらに見開きで書かれた時に表現できる空間表現は
言われてみれば、他のメディアではなかなか表現できないものである事に気付いた。

紛れもなく長年培われてきたプロの仕事。
少し軽く見ていたところがあったなと反省。


自分は絵本を書こうとは思ってないので、真剣に学ぶつもりもなく、
軽い気持ちで手にとって読んでみたが、結構ためになった。

下記のような、一般の人にもお勧めできる本だと思う。
・絵本を選ぶ立場の親御さん
・パワポでプレゼン資料を作るビジネスマン
・カタログや取説、作業基準書などマニュアル類を作る人

絵本を選べって言われても、なかなか難しそうだけど、
少し知識があると捗りそうだと思った。

また、仕事で使う書類なんかは、楽しさを求めるって出来ないけど、
視線の誘導などは参考になるし、
ページをめくりたくなる仕掛けも盛り込めたらいいなと思った。

あと、ページをめくりたくなる仕掛けって、マンガなんかでもあるし、
概念的には存在を知っていたのだが「ページ・ターナー」という呼び方は初めて知った。

TVドラマなんかは「クリフハンガー」らしい。
こちらはwikipediaにも項があった。


まぁ個人的には、時間に見合う収穫がそこそこあった感。


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