2016年1月19日火曜日

【読書メモ】『EQ こころの知能指数』ダニエル・ゴールマン ★★★★

1995年9月にアメリカで発売された『Emotional Intelligence』の邦訳。
20年前のベストセラーを今更読んでいる事になるのだが、
コミュニケーション至上主義が明確になっている今、
一応は読んでおいた方が良いだろうという事で読んでみた。
たまに引用されてる気がするしな。

EQ概論という感じにEQ全般について書かれていて、
結局はEQは大事です、役に立ちますという内容。
書いてある内容は、今だと他で言われているような事も多い。

「頭が良くてもコミュ力がないと成功しません。仕事も出来ません。」
今は、こんなの常識になってきてる。
尼の書評で、↑のような事が書いてある本という紹介も見るが、
ぶっちゃけ、それを知るためだけなら、この本は読む必要はない。

EQ=コミュ力ではない

心の知能指数というサブタイトルになっているが、
EQは感情(Emotional)についての能力全般のことを言う。

自分の感情の知覚(モニタリング)・メタ認知・理解能力
感情(欲求)のコントロール能力
自らの感情の表現能力
他者の感情を読む能力
他者と共感する能力
他者の感情のコントロール能力

そんな、コミュ力やらのベースとなる能力の事だ。
共同作業が必要になる現代社会では、欠かせない能力と言ってよい。

しかし、コミュニュケーション能力だけに留まらず、
セルフコントロールの上でも重要になる能力でもある。

自分の感情のコントロールが出来なければ、
変なところでキレて人生を台無しにしてしまう。

自分の欲求を抑え、やり遂げる精神力が無くては、
コミュニケーションが必要が無い分野でも成功はしないだろう。

IQとEQは違うと言うが、EQが低ければ論理的思考能力も身につきにくく、
結局EQが低ければIQも低くなる傾向にある。
(統計的な傾向なので、もちろん当てはまらない人もいる。)

スポーツ選手は芸術家などの「ゾーン」や「フロー」といった境地に至るにも必要。

さらには、陰鬱な気分から逃れられなかったり
常に怒りっぽいようだと健康すら害してしまう。

PTSDから回復する希望の光もEQにあるかもしれない。

仕事に必要というレベルではなく、よりよい人生の為に必要な能力である。
・・・というような事が、具体例を示しながら延々書かれている。

EQは伸ばす事が出来る

ただし、一番影響が大きいのは赤ちゃんの時。 乳幼児でも伸びていって、
幼稚園やら小学校で集団で活動するようになって、さらに色んな事を学び、
思春期までで大体完成する感じ。

その後も学習は出来るが、子供のころの影響を消すのは難しい。

この本ではその辺の事も、脳の成長と合わせて説明されている。
まぁ大体ほかの本でもそんな感じだし、「三つ子の魂百まで」って事だね。

5歳くらいまでに、基本的なEQを身に付けておくのは超大事らしい。
まぁ幼稚園デビューで失敗すると、一生引きずりますよと。

EQの脳内ありか


読んだけど詳細忘れた。
脳のどの辺にEQの能力があって、
そこが壊れると、こんなEQが落ちますみたいな内容が書いてあった。

他で言われている、
「年をとると前頭葉の活動が低下して、欲望が抑えられなくなる」
みたいな話とは一致する内容だった。

また、何かを見たり聞いたり嗅いだりした後に即(千分の数秒レベル)、
扁桃体に基本的な感情が発生しており、
大脳新皮質が対象を認識するのはその後である。
───というのも、他の本でもそんな感じだった。

にしても、人類の黒歴史とも言えるロボトミー手術だけど、
その結果分かったことって本当に多いねw
だからといって肯定は出来ないけど。

まとめ

まぁ、読んでおいて良い本だろう。
EQってのは今の時代必要だと思う。

現代社会に必要なコミュニケーション能力だけのためではなく、
変なところでキレる事を無くすためにも、
意見の相違を「ケンカを売られている」としか認識できない人にならないためにも
EQを伸ばす教育やった方がいいと思った。

でも、文庫版で450ページ。
しかも、最近の新書のように行間たっぷりではなく、そこそこぎっしり。
現物みないでAmaonで買って、届いて、正直うわぁめんどくせぇ感あった。

ぶっちゃけ
EQが足りない人は読むべき本なんだけど、
そもそもある程度EQが無いとこの本は読みきれない
と思う。
そんなオチ。



結構分厚い・・・
 
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