2016年1月24日日曜日

【読書メモ】『ゆかいな仏教』橋爪大三郎、大澤真幸 対談 ★☆

脳みそ休ませようとして適当に買ったら失敗した。
坊さんがぬるーく、でも本質的なところを語るようなものかと思ったら、
衒学的に、インドの仏教の細かい矛盾点をついていくようなめんどい本。

『ゆかいな仏教』というより『おかしな仏教についての対談』かな。

ヒンドゥー教との関係が仏教の理解に必要なのは分かるが、
制度的なものより、哲学的な部分との関係性を掘り下げて欲しかった気がする。
古代インドの思想って輪廻転生だけじゃないでしょう、
他にも哲学的なところあるでしょうみたいな。

また、確かに仏教は近代、現代哲学に通じるところもある。
でも、それを知っている人は面白さに気付いていると思う。
それに気付いていない人に読ませたい本なのかと思いきや
哲学的知識ゼロではついていけなさげな内容。
そんで、あんま日本に関係ないところが多い。

宗教にあまり関心のない日本人にとっては、
宗教の教義が矛盾を孕んでいようとも「そんなもんだろ」という感覚しかない。
(その事のほうが不思議で面白いが)
そこで「大乗仏教の他者救済は、仏教の本質に合わない」など指摘されても、
「なるほど。でも、だからなに?」という話でしかない。

誰を対象に何を伝えたいのか分からぬ・・・
話し合ったは良いけれど、纏まんなかったからそのまま出したんかな・・・

まぁ、そんなプラグマティックな見方していると
覚りから遠ざかりそうだからやめておくか。

・極限値と収束点列の例えは面白かった。仏教以外にも哲学全般で使えそう。
・『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』スティーヴン グリーンブラット
 これは面白そうだから読んでみようと思った。
・『東洋哲学覚書 意識の形而上学―『大乗起信論』の哲学』井筒 俊彦
 これも面白そうだから読んでみようと思った。

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