「戦前昭和の社会は、今の状況と似てますよ」ってのが主張ぽいが、
そんな事はどうでもいい感じ。
中身も、現代との対比としては語られず、当時の説明がたんたんと綴られる。
教科書的な本でも、論文的な本でもなく、政治や思想の歴史書でもない。
当時の大衆の生活状況を説明するのが目的っぽい本。
変な主張がない分、当時の雰囲気の説明には成功していると思う。
浅く軽い感じだが、読み物として読むには、その点はプラス。
書かれている雰囲気をよく表しているのが、
帯に書かれたキャッチフレーズ(「暗い時代」の明るい日常生活)。
むしろ、このコンセプトで切り出されたものかもしれないが。
章の構成は以下
Ⅰ.昭和の大衆消費社会
Ⅱ.昭和の格差社会
Ⅲ.格差是正の試み
Ⅳ.カリスマ待望と戦争
切り口ごとに章を分けているので、章が変わると時代がまき戻される。
別レイヤーに書かれた絵を、ばらばらに見せられた感じ。
一つの対象だけ見るなら確かに見やすいが、
私のようなバカには、頭の中で統合するのはひと苦労。
で、当時と現代に類似点があるのはその通りかもしれない。
時間を止めて類似点を結んで図形を描けば、相似形。
それでも、その図形の大きさや位置は違う。
そんな感じ。
でも、昔を知れば知るほど、今って楽な時代じゃん?って思える。
下を向いている人ほど、過去を知るべきだと思う今日この頃。
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