2016年6月26日日曜日

【読書メモ】『性格を科学する心理学のはなし―血液型性格判断に別れを告げよう』小塩真司 (著) ★★★☆

サブタイトルにあるように、血液型による性格診断に否定的な本。

根拠がないとか、統計的に差はないとか、科学的に否定するレベルを越え、
「それって、じぶんの努力ではどうにも成らない身体的特徴で差別するのと変わらない」
「ブラッドタイプ・ハラスメント!ダメゼッタイ!」と言い出す本。
素敵すぎるw

そんな素敵なつかみから入って、
性格を現す英単語の話、性格をテストする事の難しさ、
いくつかの性格の分類法の紹介、性格と環境、性格と遺伝のお話、
などをへて、最後にまた血液型占いと闘いだすw


気質、性格、人格の翻訳の難しさ

Personalityは、ラテン語のpersona(仮面)という単語に由来。
アメリカの心理学で用いられるようになった。
それより前の(主にヨーロッパ)の心理学では、
characterやtemperamentが、心理学的な個人差を表すのに用いられていた。
characterは「刻みつけるもの」というギリシャ語由来。
英語のcharacterには「好ましい」というニュアンスが含まれている。
「個性的で面白い人」という意味もある。
personarlityには「好ましい」というニュアンスはない。
心理学の研究としては、「好ましい」というニュアンスを含まない、
中立的なpersonalityを用いるほうが良いという考えから、
personalityの使用が広がっていった。

日本では、temperament(気質)、character(性格)が入ってきて訳された。
その後にpersonalityが入ってきて「人格」と訳された。
しかし、現在の日本語のニュアンスでは英語とは異なり、
人格(personality)の方に、「優れた人間性の持ち主」というような
「好ましい」というイメージがある。
そして、性格という日本語の方が中立的な意味になっている。

この事が、翻訳上すこし自体を複雑にしているとの事。
なるほど。

人格障害とパーソナリティ障害とでは、少し印象が違う・・・ような気がしないでもない。

他資料


ビッグファイブモデルの下位特性


まー一般書として読みやすく仕上がってて、読み物として良い本だと思う。



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